表題番号:2015B-117 日付:2016/04/09
研究課題古水温の季節変動幅,化石有孔虫の個体群動態の解析に向けた個体別同位体測定法の評価
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 准教授 守屋 和佳
研究成果概要

 海洋の混合層中に生息する浮遊性有孔虫は,多くの種が月齢周期で繁殖を行うことが知られている.浮遊性有孔虫は,炭酸カルシウムの殻体を形成しながら成長することから,理論的には,その殻体には,約1ヶ月間の海洋環境が記録されることとなる.しかし,この仮説の検証は未だに行われていない.そこで,相模湾で採取された現生浮遊性有孔虫殻体の炭素・酸素同位体比を1個体毎に分析し,現場の海水温,海水の酸素同位体比,海水中の全炭酸の炭素同位体比と比較することで,有孔虫殻体に記録される海洋環境の再現性を検証した.その結果,混合層に生息する浮遊性有孔虫からは,現場の海洋環境をよく反映した記録を得ることができた.