表題番号:2015B-101 日付:2016/04/11
研究課題荘園制の成立と「地域社会」形成の関係に関する複眼的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 高木 徳郎
研究成果概要
 本研究では、主として伊賀国鞆田荘・玉滝荘(現在の三重県伊賀市阿山地域)を対象に、耕地の灌漑状況などに関する現地調査を行った。まずは荘園の鎮守社や領主居館の推定地周辺の小字の範域を明治期の地籍図を元に確認し(9月の現地調査)、その後、現在の灌漑状況を把握するため、地元の阿山町土地改良区(水利組合)の協力を得て聞き取り調査を行い、用水路の現況確認とそれを地形図上に記入する作業を行った(3月の現地調査)。その結果、この地域では、戦後の圃場整備事業を経ても、中小の溜池の灌漑範囲や水利権は旧来のそれが継承されていることなどが明らかになり、現在でもそうした溜池利用をベースとした共同組織が遺存していることが分かった。