表題番号:2015B-070 日付:2016/04/11
研究課題アリストテレスの存在論と魂論における人間存在の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 岩田 圭一
研究成果概要
本研究はアリストテレスの存在論と魂論を研究対象とし、哲学の立場から人間存在について考察を行った。まず、これまでの研究成果を踏まえてその存在論の全体を見渡し、「実体」「本質」「形相」「現実態」といった主要な概念について再考を行い、人間存在を考えるための概念的基盤を明確にした。次に、魂論に関して、自己認識の働きを担う共通感覚に関する前年度の研究との関連で、自己認識の問題が考察されているプラトン『カルミデス』を取り上げ、人間がよく生きるための出発点としての自己認識の可能性について考察を行った。さらに、『魂論』第3巻第4章における知性論を取り上げ、知性の本性の考察を通じて人間存在の特質を明らかにした。