表題番号:2015B-063 日付:2016/04/11
研究課題ジャック・デリダにおけるテクノロジーの脱構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 藤本 一勇
研究成果概要

本課題は、脱構築で知られるフランスの哲学者ジャック・デリダ(1930-2004)の思想における、テクノロジーの役割についての研究である。一般にデリダはテクスト主義者と思われているが、彼のテクスト概念は特殊であり、彼にとってテクストは一種のテクノロジー、しかも遠隔テクノロジーであることを明らかにした。そして単なる文献学の話ではなく、距離(場合によっては疎外)を生み出すと同時に受肉化する、遠近を操作するテクノロジーとしてのエクリチュールが、どのように人間や社会に影響を与え、生や死のあり方を司る生政治のテクノロジーとして作用するかを、デリダの来たるべきデモクラシーや新しい啓蒙という発想のなかに探究した。