表題番号:2015B-029 日付:2016/02/07
研究課題物権変動の法的構造に関する基礎的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 大場 浩之
研究成果概要
 本研究においては、ius ad rem概念の起源を把握し、それが確立された過程をたどり、物権行為概念の生成との関係でどのようにius ad remが衰退していったのかについて、分析をくわえた。
 ius ad remは、その萌芽から発展、そして衰退の道をたどったわけであるが、未登記占有者である第一買主の保護、あるいは、そのような第一買主と悪意の第二買主との利益衡量を図るといった、その目的自体は、今日においてもけっして否定されていない。とくに、仮登記制度をはじめとしたさまざまな概念に形を変えつつ、現行法あるいはその解釈論に大きな影響を与えているといえよう。