表題番号:2014S-044
日付:2015/04/10
研究課題カマラシーラによる修行道論の構築と後代における受容と展開
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 文学学術院 文学部 | 助手 | 佐藤 晃 |
- 研究成果概要
- インド後期大乗仏教、特に後期中観派を代表するカマラシーラは、仏教認識論の影響の下、伝統的修行論の再構築を行った。本研究は①修行者の対象認識に関する理論の解明、②後代の受容と展開の解明を目指した。①については、(1)真実たる一切法無自性性の認識に関し、直接知覚による認識の過程の解明、(2)直接知覚同様、妥当な認識根拠とされる推論に基づく認識に関し、一切法が縁起であることを論拠にそれが無自性であるとする論証の論理学的解明を行った。②については、ジュニャーナキールティが、カマラシーラの『修習次第』の影響下で著した『波羅蜜乗修習次第説示』について、一部テキストの校訂、及び、それに基づく試訳を行った。