表題番号:2014S-018 日付:2015/04/09
研究課題フランス会社法における会社の利益(intérêt social)概念
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 助手 石川 真衣
研究成果概要

本研究はフランスにおける「会社の利益」概念の検討を通じてフランス会社法の変遷及びそこに見出される理念を理解するための第一歩として位置づけられる。「会社の利益」に言及する判例の収集・整理を通じて、体系化を試みた結果、第一に明確な定義を持たない「会社の利益」概念はその柔軟性ゆえに司法権力により最大限に活用されてきたこと、第二にそうした場面として①会社における利益の内部留保及び②社員の退社の強制が挙げられ、「会社の利益」の捉え方を変化させることにより個々の事案に応じた判断が導き出されていることが明らかになった。今後は「会社の利益」概念が用いられる他の場面の詳細な検討を行う予定である。