表題番号:2014K-6283 日付:2015/11/07
研究課題大学附属高校生の数学についての学習観の調査―早稲田大学本庄高等学院の場合―
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 本庄高等学院 教諭 成瀬 政光
研究成果概要
 学習観とは,植木(2002)は「学習成立に対する基本的な信念,価値観」と述べている.我々は受験を前提とせずに大学へ進学する附属高校の生徒の学習観を調査した.附属高校では受験を前提としないため,受験とは関係のない勉強ができるというメリットがあるものの,受験が動機づけとならないために,数学教育の本来の意味づけが必要となる.それらをこの調査では明らかにできると我々が考えた.そのような学習観を我々は「附属高校における数学学習観の調査」と名付けた.
 本調査では2014年9月に本学院3年生理系選択生徒に対し予備調査を行い,36文を抽出した.2015年9月に本学院3年理系選択の生徒に向けて,5段階のアンケート調査を行った.それを因子分析し,学習観について「知識融合因子」,「大学先取因子」,「証明慣れ因子」,「学校学習限定因子」,の4つの因子を見出した.
 さらに我々はこの4つの因子と尾城ら(1994)の「授業観」の3つの因子(専門志向因子,教養志向因子,演習志向因子)の関係を調査した.
 今後はこれらを学習観の変容の調査や,学習観を踏まえた学習指導に活用するなどの研究に利用できると我々は考えている.