表題番号:2014K-6200 日付:2015/04/08
研究課題非財務情報の開示と開示責任に関する法規制の研究 -非財務情報の性質・内容に応じた開示法制の考察-
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 川島 いづみ
研究成果概要

 アメリカの連邦証券規制では、非財務情報の開示は、将来指向情報の開示に関する議論と結びついており、また、非財務情報開示の中心的な項目は、年次報告書等におけるMD & A欄の開示といえる。MD & Aには、継続的経営から生じる売上高・収入・収益に重要な影響を与えることが合理的に予測される、知られた傾向および不確実性などが記載される。連邦証券規制では、予測が外れても一定の条件で免責を認める安全港ルールを設けて、開示を奨励してきた。これについては、解釈上の論点があり、近時も判例法の展開が見られる。また、SOX法以降、コーポレートガバナンス関連の開示項目も追加されており、こうした項目に関する法的責任も検討すべきであろう。