表題番号:2014K-6166 日付:2015/04/10
研究課題細胞内小器官の温度を計測する新規な蛍光プローブの創製
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 武岡 真司
(連携研究者) 理工学術院 教授 井上貴文
研究成果概要

生細胞のミトコンドリア温度を測定するために、ミトコンドリアに局在するレシオ型温度応答性蛍光プローブを分子設計を行い、有機合成した。本プローブは温度応答性を示すローダミンBと温度に不感応なローダミン101のスペーサーにて結合させた構造であり、ローダミンBの蛍光強度/ローダミン101の蛍光強度の比は、温度上昇に比例して減少するので、濃度変化や焦点ブレに関係なく温度変化のみを検出できる。試験管レベルで検量線を作成したところ、2.72%/℃の温度感受性を有することが明らかとなった。また、本プローブは細胞に振り掛け約30分静置すると細胞膜を透過してミトコンドリアに集積する性質を持っているので、測定したいタイミングでミトコンドリアのみの温度を計測できる。また、測定条件では細胞毒性は認められなかった。脱共役剤(FCCP)をHeLa細胞の培地に添加したところ添加約5分後に有意な温度上昇が観測された。