表題番号:2014K-6113 日付:2015/04/04
研究課題カンタベリーのアンセルムスにおける信仰と理性の関係
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 教授 矢内 義顯
研究成果概要

本研究は,アンセルムスにおける「信仰と理性の関係」を,従来ほとんど注目されることのなかった彼の信仰概念から出発し,修道的な霊性における経験(experientia)のもつ意味を通して解明した。『言葉の受肉に関する書簡』の第一章が示すとおり,彼にとって霊性とは,修道院共同体において聖務日課を中心とした祈りと瞑想の生活に専心することを意味した。それゆえ,信仰から出発する霊的な生活(経験)と神学(理解)とは,神を求めることの二つの側面なのである。さらに、この神を求めることは,より高次の経験・神の観想を目指す。それを典型的に示すのが『プロスロギオン』なのである。この成果の一部は第73回日本宗教学会において発表された。