表題番号:2014K-6105 日付:2015/04/03
研究課題経済学の歴史における天野為之と石橋湛山:経済雑誌と「学理と実際の調和」
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 教授 池尾 愛子
研究成果概要

 第1に、これまでの研究成果を海外(ヨルダンと中国)で発表して、好評を得た。(1)「ケインズの『一般理論』(1936)出版以前に、ケインズの革新的理論を把握していた」とされる高橋是清や石橋湛山が、天野為之からマクロ経済学の基本を学んでいた。(2)二宮尊徳の教義(分度、推譲、仕法)を活用して、天野が勤倹貯蓄論を展開し、「マクロ経済均衡」あるいは「一般均衡」と呼びうる概念をこうした言葉を使わずにつかみ取っていた。第2に、天野編集の『実業新読本』を「発見」して、中国と日本でこれを含む発表を行い、好評を得た。「忘れられた経済学者」とされていた天野為之をかなり蘇らせることができたと確信している。