表題番号:2014K-6098 日付:2015/04/13
研究課題荘園制の形成と用水開発の関係に関する実態的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 准教授 高木 徳郎
研究成果概要

 本研究では、荘園制の形成過程における用水開発の具体的なあり方を探るために、主に2地域(紀伊国相賀北荘:現在の和歌山県橋本市西部付近、安芸国竹原荘および備後国地毘荘:現在の広島県中西部付近)の現地調査を行った。現地調査では、荘域外に現存する用水池が、近世以前の水利慣行を継承しつつ、水源林となる山林資源の共同用益の中から形成されてきた水利秩序をふまえて築造されていること(相賀北荘)、中小の河川流域の低湿地の開発と、在地領主の居館形成が密接に関わりながら進められていったこと(竹原荘)、さらには用水系を基盤とした在地領主の所領分割相続の実態(地毘荘)などが明らかとなった。