表題番号:2014K-6082 日付:2015/04/10
研究課題1930年前後の日本におけるナンセンス文学の盛衰―新興芸術派を視座として
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 総合人文科学研究センター 助手 塩野 加織
研究成果概要

今回申請の特定課題では、1930年前後の日本において隆盛した新興芸術派運動と、そのなかに含まれる「ナンセンス文学」と呼ばれる文学ジャンルに着目し、そのジャンルが生成・変容していく過程について資料調査を行なった。対象としたのは種類ごとに大別して、大正期にモダニズム文学の先駆的役割を果たした雑誌、昭和初年に新興芸術派運動の舞台を提供した雑誌叢書類、さらにプロレタリア文学雑誌の三系統である。現在は、この調査結果に基づいて、当該時期における文学概念としての「ナンセンス」と「ナンセンス文学作品」との関係性を精査し、そこに新興芸術派の作家たちがどう関与したのかを主題とする論文を執筆中である。