表題番号:2014K-6075 日付:2015/02/25
研究課題ドイツ同時代小説におけるテロルと戦争
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 准教授 山本 浩司
研究成果概要
本年度はユーゴ内戦を取りあげた小説を集中的に読んで、戦争の内部と外部の視点を取り込んだ多角的なアプローチの仕方を研究した。ユーゴ崩壊という背景のもと難民の増加に伴うオーストリアの多民族共生社会の危機を取りあげながら、過去の克服というテーマをユーモラスに描いたユダヤ系作家、移民として西欧に身置きながら戦争の過去を想起するボスニア=ヘルツェゴヴィナ、クロアチア、セルビアなど旧ユーゴ各国出身の作家たちなど、民族や母語を異にする作家たちがそれぞれの立場から描く自伝的な戦争文学のもつ斬新さを「オートフィクション’概念を使って検討した。