表題番号:2014K-6070 日付:2015/04/09
研究課題1780年代フランスのヴェルジェンヌ外交政策に関する史料学的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 森原 隆
研究成果概要

 本研究は、近世フランスの外交政策を、外交書簡を中心にした文書・文献史料の渉猟と解読をとおして、あらたに解明しようとするものである。とくに本年は、フランス社会科学高等研究院のJ.=F.ショーブ教授が来日し、早稲田での講演・研究活動のサポート活動を全面的に担当したこともあって、氏の専門である近世スペインとフランスとの外交関係を中心に、まず全般的な考察と分析を行った。その結果、フランスブルボン王朝期の政策に、とくにルイ14世期の外交を中心としたさまざまな政策にスペインをモデルとした国政像が大きな影響を与えていたことが明らかになった。これは氏の著書2003年『スペイン的なフランス』をふまえた上での議論であるが、これに関連しては、ヨーロッパの近世国家像をめぐって、2014年4月に、国際セミナー「『礫岩国家の3点測量』ーヨーロッパにおける複合政体を比較するー」が開催され、その研究報告が『プロジェクト研究』第10号、2015年3月、早稲田大学総合研究機構、に掲載された。その他については、研究計画に基づいて、フランスの国立図書館、国立古文書館において、1780年代から革命期にかけての外務卿ヴェルジェンヌ時代(1774-1787)に焦点をしぼり、史料分析に基づいた当時のフランス外交のあり方を考察した。