表題番号:2014K-6023 日付:2015/04/12
研究課題言語学的前提条件を操作した限界事例の語用論的分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 首藤 佐智子
研究成果概要
本研究では、「残念な」の近年の意味の変遷は語用論的制約の操作の結果であるとの仮説をたて、検証を行った。ひとつの特殊な表現の意味変遷に焦点を当てたのは、客観化プロセスの背景にポライトネス効果を狙った語用論的制約の操作使用が考えられることを1つのモデルとして示すためである。ポライトネスが意図された語用論的制約操作が行われた場合に、その意図が形骸化するという社会言語学的パラドックスが存在する可能性を示唆する。「現代日本語書き言葉均衡コーパス」を利用し、伝統的用法と新用法の語用論的相違をある程度客観的に示すことができた。研究成果は、「日本語語用論フォーラム」の第1号に掲載される予定である。