表題番号:2014K-6007 日付:2017/03/16
研究課題貨幣経済における貿易パターンと各種政策の関係
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 准教授 金子 昭彦
研究成果概要
本研究は,「貨幣経済における,貿易パターンと各種政策の関係」と題して,主に貨幣を考慮に入れた効用関数のもとで金融政策及び財政政策の帰結を考察するものである.先ず今年度は「閉鎖経済における政府資金調達方法変更のもたらす影響について」に着目して分析した.
貨幣発行,所得税,資本課税の3つの資金調達を考慮したモデルにおいて,特に所得税と資本課税を比べた場合には,経済成長率最大化も効用最大化も資本課税で全て賄うことにより達成されることがわかった.一般に,動学成長モデルにおいては他の税金に比べると資本課税は経済成長や効用により悪い影響を与えることが知られているが,本モデルではむしろ逆の結果になった.これは本モデルで使用したmoney-in-productionモデルでは,貨幣が資産として保有され,所得税の場合物的資本と貨幣の両方に課税することになるからであると考えられる.