表題番号:2014K-6004 日付:2015/04/14
研究課題ゲーム構造認識の視線測定器による実験研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 船木 由喜彦
(連携研究者) 政治経済学術院 准教授 Robert Veszteg
研究成果概要
視線測定器は、実験参加者の目の動きを実験中に記録することができる最新の機械で、実験中の実験参加者の情報取得行動を確実に記録することができる。個人の視線の滞留時間や注視回数を比較することにより、意思決定に用いられた情報の重要性を分析することが可能である。
 本研究も、昨年度までに蓄積された視線測定器による手法を用いて、継続して視線測定器による研究を行い、本研究テーマに即した実験を行った。
 本年は、2014年7月、12月、2015年1月に視線測定器による実験を行い、合計100名以上のデータを集めた。視線測定器は高価な機器で、新型の機器は2台しかなく、2台 のマシンを並行して、実験を行なわなければならない。すなわち、1回当たりの実験ではデータを2つしか集めることができない。また、1回当たりの実験に必 要な時間は5分~15分と短い。そこで、複数の実験を組み合わせて実験を行う必要がある。昨年度の研究同様、本研究の実験実施についても、多 くの研究協力者の下、政治的選択の実験やリスクに対する態度の実験、ゲーム的意思決定と情報の関係の研究などと組み合わせて行われた。
 昨年度の 実験同様、視線測定器によるデータの量は膨大であり、厳密な統計的分析を行うために、データを整理することにも大変に時間がかかる。さらに統計的分析方法 に対する工夫も必要である。本年度は多くのサンプルを集めることができたが、いまだに統計分析手法は確立されておらず、分析には昨年同様時間がかかっている。
 今年度の特徴は、実際の金銭利得と満足度の間の関係のアンケート調査も分析していることである。まだ結果は限定的であるが、その内容はDPとしてまとめつ つある。さらに、実験実施時に、相手の評価との関連について新たな実験アイディアが生まれ、現在その実現性を検討中である。このように、未だに研究成果は パイロット的、限定的であるが、このような先端的な研究を継続し、成果を蓄積していくことが、さらなる研究発展のためには重要であると考えている。、