表題番号:2014B-500 日付:2015/04/09
研究課題パラグアイ共和国イグアス移住地における持続的農業とその教材化
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 佐々木 智章
研究成果概要

パラグアイ共和国の日本人移住地の一つであるイグアス移住地では、1960年代の入植開始以降、農地面積を広げ大豆中心の大規模な農業経営を行ってきた。環境保全に対する意識がパラグアイにおいても強くなっている中で、日本人移住者の農業経営が近年どのように変化しているのかを明らかにし、中等教育段階での南アメリカ学習を充実させるための考察を行うことが本研究の目的である。

現地調査では、農地の拡大が望めない中で、畑作に加えて牧畜を行なったり、新しい農法に挑戦したりする農家があらわれ始めていることが分かった。こうした取り組みは、環境保護という外圧の影響も大きく受けているといえるが、移住者の開拓精神によるものとも考えられる。

授業では、森林と農地が混在する土地利用の状況から、粗放的な農業について理解させるとともに、環境問題と私たちとの関わりについて考えさせ、日本人移住者のこれまでと新しい取り組みに関して今回の調査で撮影した動画を用いて理解させたい。日本からは物理的にも精神的にも遠い地域であるが、こうした内容によって関心の高まる、また知識だけでなく、地理的な見方や考え方・公民的な資質を養うことの可能な授業が期待できる。一方、本研究では、実際に授業を行いその結果を明らかにすることはできなかった。来年度の課題としたい。