表題番号:2014B-439 日付:2015/04/15
研究課題英語における日本語アクセントの解析:音素の逸脱度と発話理解度の検証
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 教授 近藤 眞理子
研究成果概要

 英語音声コーパスを用い、日本人英語話者94人分のデータをアメリカ標準英語話者の発話と比較した。日本語話者の英語の発話は、母音の問題のほうが、子音の問題よりも圧倒的に多く(4,478/6,620例)、全英語レベルにおいて、ストレスの有無による母音のF0と音圧の制御は見られたが、母音長の制御は上級レベル話者の発話にのみ見られた。子音に関しては、/l/-/r/, /b/-/v/, /s/-/θ/, /z/-/dz/等の間違いが数多く見られたが(2,142/6,620)、音素の代用に明らかな方向性が見られた。例えば、日本語話者の英語の発話には、/l/の代わりに/r/の代用は多く起きるが、/r/の代わりに/l/を代用することは非常に少ない。これは、日本語話者が英語の/r/を新しい音として認識しているからだと思われる。