表題番号:2014B-339 日付:2015/04/07
研究課題統計モデルを用いた大気汚染を誘発する物質の微量検出手法の研究開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 大学院情報生産システム研究科 教授 犬島 浩
研究成果概要

1.背景
 大気で発生した汚染物質をいち早く検知することは、人の健康をまもる上で重要な課題と考えられる。レベルが変わらなくとも、スペクトル成分などの計測信号の特性が変化している場合がある。この特性変化をつかまえることができれば、大気汚染を誘発する微量物質を検知できる。
2.方法
 信号の特性を表現方法は種々あり、一つの例題として自己回帰モデル(AR)モデルである。大気汚染がない状態における推定したARモデルを用いて線形予測し、その予測誤差を評価して、信号の特性変化をより敏感に検知できる。
3.結果
 微量大気汚染がある状態における残差と大気汚染がない状態における観測信号の残差では、特性が異なることが判明した。計測信号全体を正常部のARモデルで線形予測した残差は、異常の発生時刻以前と以降で信号特性が大きく変化すると推定される。
4.結論
 大気汚染がない状態における推定したARモデルを用いて線形予測し、その予測誤差を評価して、微量大気汚染がある状態の信号特性変化をより敏感に検知できることが示唆された。