表題番号:2014B-318 日付:2015/04/13
研究課題休眠状態の胞子から細胞周期と細胞骨格はどのように新規形成されるのか
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 准教授 佐藤 政充
研究成果概要

従来の細胞周期・細胞骨格の研究は,増殖中の細胞のとある1サイクルの細胞状態に注目して解析が進められてきた。このような増殖中の細胞では,前回の細胞周期の「履歴」をもとに次の周期の分子機構が決まる。それでは,長らく休眠状態にある静止細胞は,どのように増殖を「ゼロから」始動するのであろうか。細胞周期の始動は,細胞が周囲の環境の変化を認識して遺伝子発現システムを起動させることによると考えられるが,その分子プログラムの実態は一切明らかにされていない。また,細胞骨格や染色体の構成は,休眠状態の細胞で維持されるのか,あるいは休眠が終わり細胞周期が新生する際に,これらの骨格が新生されるのかは,不明な点が多い。

 そこで本研究では,(1)分裂酵母の休眠細胞,特に胞子(配偶子)が発芽する際の遺伝子発現プロファイルを作成すること,および(2)胞子および発芽時の細胞を顕微鏡観察することで,これらのメカニズムの解明を目指した。