表題番号:2014B-316 日付:2015/02/18
研究課題「ミニ腸管」形成プロセスにみられる生物学的自己組織化現象の数理学的理解
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 常田 聡
(連携研究者) ナノ理工学研究機構 次席研究員 加川友己
研究成果概要
大腸腫瘍の形態が経時的にどのように形成されるのかを観察することは、従来法の技術では困難であったが,腸オルガノイド培養技術の開発により,ヒト検体における腸管上皮の管腔形成異常の動的解析を行うことが可能となった。本研究では,細胞間相互作用の実装が容易なcellular Potts modeling手法を用いて腸オルガノイド形態形成の2次元数理モデルを構築し,腫瘍性上皮細胞由来オルガノイドにみられる異常な形態が,本質的に何によって引き起こされているのかを明らかにすることを目指した。その結果,細胞分裂時の分裂軸や分裂速度の異常が単一管腔・単層構造の崩れをもたらすことが予想された。