表題番号:2014B-314 日付:2015/04/10
研究課題生細胞内クリックケミストリーによる生体関連分子イメージング法の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 武岡 真司
研究成果概要

細胞膜透過性を有する無触媒クリック型蛍光色素FC-DBCOFluorescein-Conjugated DiBenzoCycloOctyne)を分子設計し、有機合成した。本プローブは蛍光分子であるフルオレセインの誘導体と無触媒クリック分子であるジベンゾシクロオクチンをカップリングした構造であり、細胞膜を自由に透過できる性質を持っている。従って、もし生細胞内にアジド基を有する標的分子があればそれと結合して蛍光標識するが、標的分子がない場合にはそのまま細胞を透過してしまい、培地の洗浄によりほぼ完全に細胞内から除去される。また、本実験条件では細胞毒性は認められなかった。N-アセチルマンノサミン誘導体(アジド化マンノース)とFC-DBCOを用いて生細胞内クリック反応評価たところ、アジド化マンノースの細胞内動態(細胞質→酸性小胞体→ゴルジ体→細胞膜)を蛍光イメージングすることができ、生細胞内アジド基修飾分子の動態解析に対する本プローブの有用性を実証した。