表題番号:2014B-243 日付:2015/03/09
研究課題メキシコ大地震後の跡地空間について:記憶化のための公園化
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 准教授 岡田 敦美
研究成果概要
1985年のメキシコ大地震の経験を記憶化するための装置となった、公共空間の成立経緯の分析を行った。モニュメント化された場所は限られており、場所を要さないプレートのみの設置はメキシコでは一般的ではない。モニュメント化が行われた場所は、犠牲者の多さに加えて、人為的な要因の所在が指摘されていたこと、強固な被災者組織が生れたこと、政府による土地の買上げにより用地が確保されたこと、などの特徴を持っている。これら被災者団体は80年代のメキシコの政治・経済的な状況と共鳴し、今日の三大政党制の原型となる政党再編に連動していった。その意味で、メキシコ地震は20世紀後半のメキシコ史における分岐点であった。