表題番号:2014B-238 日付:2015/04/10
研究課題術中情報の循環による自律型手術支援システム
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 山川 宏
(連携研究者) 理工学術院創造理工学部 教授 藤江 正克
(連携研究者) 理工学術院創造理工学部 教授 宮下 朋之
(連携研究者) 理工学術院総合研究所 主席研究員 小林 洋
研究成果概要
 従来のコンピュータ支援外科技術の枠組みでは,個人差や手術中の状態変化により術前計画からずれた際の対応は医師の経験・ノウハウにゆだねられており,コンピュータの長所である定量性・再現性が十分に生かされなかった.この問題に対し,コンピュータ・医師に術中情報を循環させながら,個体差や手術中に発生する状態変化に対してコンピュータが調整・適応する自律型手術支援システムを提案する.本研究では,ラジオ波焼灼療法を対象手技として,臓器の機械・熱力学・電磁気学特性の変化を記述した臓器数理モデルを規範とした手術マニピュレータの制御システムを構築することを目指す.本申請では,臓器数理モデルの基礎データとして,電極針からの電流で組織に発生する熱量に対し,電極針が組織を穿孔する力(破断荷重)の変化の関係を,ブタ心筋組織を対象としたin vitro実験にて取得した.実験の結果,発熱量の増加に伴い,破断荷重は減少する傾向にあることが示された.今後は,発熱量に依存して破断荷重が変化する心筋組織の変形モデルを構築する.