表題番号:2014B-074 日付:2015/04/14
研究課題自然・都市の反映としての「風景表象」からみた近代文学の空間構成の構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 中島 国彦
研究成果概要
 この数年、「風景表象」という用語を用いながら、近代作家が描く自然描写の系譜を探究して来たが、そうした研究系列の中で、今年度は東京や京都といった都市のみならず、郊外の自然や避暑地の自然なども念頭に置きつつ、特異な例をいくつか取り上げて、資料収集、実地踏査を行い、論文や講演の形でその成果を公表した。
 本年は、さらに「場所の想像力」「土地の想像力」という概念を導入し、「風景表象」の一つ一つがかけがえのない意味合いを持ち、その総合が文学の流れを作ると指摘したいと考えた。田山花袋・近松秋江・堀辰雄の作品を中心に分析、典型的な「風景表象」を実地踏査を背景に意味付け、近代文学総体の理解に結び付けようとした。