表題番号:2014B-073 日付:2015/04/10
研究課題南関東旧石器集団の遊動領域 ―河床礫と石材消費―
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 長崎 潤一
研究成果概要
本研究は旧石器時代の南関東集団がいかなる領域を有していたか、遺跡出土の石器と現代の河床礫の岩石種、礫形状の比較を行ってアプローチするものである。河床礫としては多摩川と入間川、更に鬼怒川、思川、阿武隈川、利根川も河床礫調査を実施した。Ⅶ~Ⅸ層出土石器群ではお伊勢山遺跡で房総半島嶺岡白滝頁岩が集中して出土し、下総台地集団と結びついた状況が注目された。Ⅳ層石器群については、立川面の遺跡において凝灰岩の使用が多く、黒曜石製の有樋尖頭器の出土が多い点に注目したい。有樋尖頭器は野川流域でも武蔵野面の遺跡や入間川側ではめったに見られず、Ⅳ層段階において武蔵野台地内の小地域区分が顕在化することが判明した。