表題番号:2013B-266 日付:2014/04/14
研究課題新学習指導要領における情報科でのEラーニング用電子教材の開発と教員養成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 橘 孝博
研究成果概要
本研究では、2013年度から実施された新しい学習指導要領の「情報科」の学習で使える、Eラーニング電子教材の研究と開発を取り上げた。全国の高等学校に情報科が配当されて10年を経て新しい段階に入り、学習形態でEラーニングを積極的に取り入れて展開すべきと考えて、この研究テーマを設定した。
このEラーニング教材作成の一例としては、情報科の学習内容にある「情報のデジタル化」についての教材を挙げることができる。現在の高度情報通信社会ではデータがデジタル化されて伝達される理由を理解して、アナログデータからデジタルデータに変換する仕組みを、この単元で学ぶ訳である。具体的には、標本化、量子化、符号化の手順や、音声データのデジタル化、カラー画像のデジタル化に必要なビット計算などまで行う。この単元に関するオンライン教材を作成し授業で用いた。パワーポイントで基本的な教材を作成してから、そこに解説の音声を乗せていった。このオンライン教材は授業中に使うのではなく、生徒たちには自宅で視聴させてEラーニング自習用に用いさせた。
また、国外の情報教育の状況を視察するために、台湾の国立政治大学附属高級中学校および国立武陵高級中学校を訪問し、情報教育に関して教員と情報交換し、コンピュータ施設などを見学した。台湾の高級中学校は日本の高等学校に相当する。両校とも、情報科の授業では日本と同様の様子であったが、教科書を見ると日本のものより内容が深く、系統立った記述がなされている。IPアドレスの学習では、クラスA,B,Cの分類にも言及している。また、問題発見と解決の分野でも例題が豊富で、解決するアルゴリズムが比較的高度な部分まで書かれている。
特に国立政治大学附属高級中学校では、昨今の大学教育で注目されている反転授業を模索していた。反転授業用の教室を用意しており、生徒たちはグループでタブレット型PCが使えるように準備されていた。その室内では無線LANが使え、反転授業用の教材もいくつか作成されていた。この反転授業に関しては日本でも、高等学校でどの程度の導入ができるか、教育効果が上がるかなど、早急に研究を進める必要があり今後の我々の研究課題となる。