表題番号:2013B-264 日付:2014/03/14
研究課題教職大学院での長期学校実習におけるe-ポートフォリオの活用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 武沢 護
研究成果概要
 本学教職研究科(教職大学院)では学校現場での実習として2年間で実習1(25日),実習2(10日),実習3(15日)と計50日にわたる連携校での実習を義務付けている.実際には各都県教育委員会との連携を得て実施しているが,この実習にあたり学生の活動をどのように指導・評価するかは非常に難しい.事前・事後指導は大学側,実習期間中の評価は連携校の担当教員と大学担当教員双方で行うことになり,最終的には大学側が総括的に評価を行う.学生はこの間,実習前の情報収集,教材の準備,実習中における授業案作成,教材作成ならび学生同士の情報交換,教員との相談などが必要になる.しかし,実習期間になると学生は互いに長期間大学を離れるため,担当教員の指導やゼミ生からのきめ細やかな支援を十分に受けることができない.
 そこで本研究ではクラウド型ポートフォリオ(e-ポートフォリオ)を導入し,この実習に対する指導・評価の改善を試みた.今回,採用したものはmanaba folio(朝日ネット)Waseda-net CourseN@vi(本学)で、双方のシステムを使用した.「ポートフォリオ」機能では学習者の学習成果や振り返りなどのデータが蓄積,授業者の授業記録が可能になり,まさにeポートフォリオが出来上がるので学生同士が閲覧しあうことで学び合いも可能になった.また「コース」機能では授業者は受け持ちの講座を管理でき,レポート提出,掲示板機能で各種連絡が可能になるので,学習者は各自の設定により,レポートを閲覧し合うことが可能であり掲示板機能で事前や事後の議論が可能になり,相互学習や学生同士の学びい合いも促進できた.
 このようにeポートフォリオを活用することで指導と評価を的確に行うこと方向性が見えてきた.また,教員にとってはティーチングポートフォリオとしてFDへの活用も可能性がある.今後,実践を積み重ね,大学だけでなく高校などの学校現場でのさまざま評価に関わる活動に対する活用など今後の検討課題としたい.