表題番号:2013B-253 日付:2014/04/07
研究課題第2次世界大戦期日本・仏印・ベトナム関係研究の集大成と新たな地平
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 教授 白石 昌也
研究成果概要
≪はじめに≫
2013年10月に、科研費基盤(A)一般の年度中途採択通知を受けたために、その時点で特定課題の経費は打ち切られた。しかし、本報告においては、2013年10月以降、2014年3月まで科研費として実施した活動をも併せて記載する。ちなみに、採択された科研費と特定課題研究のタイトルは同一である。
≪国内研究会≫
特定課題研究費によって、7月と10月に2回の研究会、そして科研費によって、2013年2月に第3回の研究会を、早稲田大学で実施した。
★第1回研究会(7月25日)
①17:00~17:45 菊池陽子(東京外国語大学准教授)「第2次世界大戦期の日本・ラオス関係」
②17:45~18:30 早瀬晋三(早稲田大学教授)「南方開発金庫調査資料のなかの仏印関係資料」
③18:45~19:30 笹川秀夫(立命館APU准教授)「第二次世界大戦期カンボジアの政治動向とその研究状況」
★第2回研究会(10月7日)
①14:00~16:00 科研申請書についての打ち合わせ
②16:00~17:30 湯山英子(北海道大学助教)「仏領インドシナにおける日本商の活動:1910年代から1940年代はじめを中心に」
★第3回研究会(2月6日)
①16:00-16:45 Vo Minh Vu(ハノイ社会人文科学大学東洋学部専任講師、東京大学に滞在中)「アジア・太平洋戦争期の仏印における日本の華僑対策:印度支那派遣軍司令部の華僑工作案及び森徳久の華僑対策提言を中心に」
②16:45-17:30 岡田友和(日本学術振興会特別研究員PD/大阪大学文学研究科非常勤講師)「両大戦間期インドシナにおける『サロー主義』」
③17:40-18:00 科研打ち合わせ
≪国内調査≫
★戦時中にインドシナに滞在していた横山正幸・公使(仏印資源調査団長、のちに安南王国最高顧問)の仏語回想録の翻訳。
★戦前・戦中期の南方関係資料類の調査、整理。
★関連邦語、欧米語、越語文献の整理。
★また、学外の研究協力者・湯山英子は、上述の科研費により、
2月21日~23日:京都大学での在台湾日本語関係資料ワークショップ「在台湾日本関係歴史資料の保存と利用」に参加し、関係者及び研究者から情報を収集
≪海外調査≫
★研究代表者・白石昌也自身は、本年度の特定課題の経費によって海外出張を実施することはなかったが、上述の科研費、およびそれ以外の財源によって、以下のように海外調査を実施した。
8月27日~9月29日:ホーチミン市のベトナム第2国立文書館で関連資料調査、ハノイ大学で日越関係に関する国際シンポジウム参加
11月20日~25日:ダナン大学で日越関係国際シンポジウム参加
12月11日~21日:ホーチミン市のベトナム第2国立文書館で関連資料調査など
2月18日~3月9日:プノンペンのカンボジア国立文書館、ホーチミン市ベトナム第2国立文書館で関連資料調査など
3月16日~25日:ハノイのベトナム第1、および第3国立文書館で関連資料調査など
★さらに、学内の連携研究者・早瀬晋三は上述の科研費により、
3月17~24日にハノイ及びルアンパバーンにて、旧フランス領インドシナの戦争の記憶に関する博物館・記念碑の調査
★学外の研究協力者・難波ちづるは、上述の科研費により、
3月12日~28日:パリのL'Académie des sciences d'outre-Merにおけるシンポジウム”De l'Indochine coloniale au Vietnam actuel” に参加、“Propagandes et rivalité culturelles dans l'Indochine de Decoux” のタイトルで報告、またパリの国立図書館、エクサンプロバンスの海外文書館などで関連史料調査
★学外の研究協力者・菊池陽子は、上述の科研費により、
2月16日~23日:ビエンチャンにて関連資料調査、関係者へのインタビュー調査
★学外の研究協力者・湯山英子は、上述の科研費により、
3月4日~14日:台北の国立台湾大学、国立中央図書館台湾分館、中央研究院図書館などで関連資料調査、また埔里および高雄にて関係者へのインタビュー調査
★学外の研究協力者・立川京一は、上述の科研費により、
3月8日~16日:パリの外交資料館、軍事資料館などで関連資料調査
≪おわりに≫特定課題から科研費へと研究プロジェクトが円滑に繋がり、今後2018年3月まで同一テーマによる共同研究を展開していく予定である。