表題番号:2013B-243 日付:2014/04/01
研究課題ノルベルト・エリアスの社会学理論
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 教授 大平 章
研究成果概要
ノルベルト・エリアスの社会学理論の研究に当たって、まず近年ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン・プレスから刊行された新英訳全集の数冊(『ドイツ人論』、『死にゆく者の孤独』、『インタービュー集』など)、および、英・独・仏で出版された重要な研究書を買いそろえ、最新の研究課題の趨勢や動向を把握することができた。エリアスの会報「FIGURATIONS」を読みながら、関連文献、研究論文、著書を点検し、さらに充実した文献リストの作成を考慮中である。これに日本語で書かれた文献(エリアスのブログに掲載済み)も含めエリアス研究の基盤をさらに強固にするつもりである。2014年3月にはイギリスのケンブリッジ大学、ドイツのボフム大学の大学図書館を訪問し、エリアスの文献の検索も行った。とりわけ、ケンブリッジ大学図書館には英語のみならずフランス語で書かれた研究書も多くあり、参考になった。ボフム大学図書館では、エリアスのドイツ語全集のほかに、社会学関連の貴重な文献にも接することができた。レスター大学ではエリアス社会学の研究者・支持者として有名なエリック・ダニング名誉教授、ジェイソン・ヒューズ教授、アイヴァン・ウォディングトン教授と会い、今後の研究の趨勢について話し合った。現在、進行中の翻訳「スポーツとドーピング」に関して、ウオディングトン教授と貴重な情報を交換した。2014年6月20,22,23日にレスター大学でエリアスの国際大会が予定されており、その動向などをヒューズ教授から伺った。両者には2014年5月に刊行予定の著書の原稿をいただいたこともあり、この著書について話し合った。エリック・ダニング名誉教授からもスポーツ社会に関するさまざまな助言をいただいた。こうした経験を生かし、現在『ノルベルト・エリアス研究』(日本語)を研究の集大成としてまとめている段階である。その一部として紀要論文を早稲田大学国際教養学部と一橋大学教育研究開発センターに2つ発表することができた。今後は早稲田大学を基盤にしてエリアス研究を発展させるつもりである。論文、口頭発表、シンポジウムなど含む国際的な規模のエリアス研究を考慮中である。