表題番号:2013B-237
日付:2014/03/11
研究課題生徒の守備能力を高めるティーボールグラブの開発
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
---|---|---|---|
(代表者) | スポーツ科学学術院 | 准教授 | 深見 英一郎 |
- 研究成果概要
- 体育授業において、初めてベースボール型ゲームに取り組む小・中学生が手軽に使用できる、素手の感覚に近い、軽くて柔らかい、かつ安価な「Tボール用グラブ」を開発することを目的とした。これにより捕球技能が向上し、攻撃と守備、両方の能力が高まってベースボール型ゲームのおもしろさをより深く味わえる。また正式なグラブを用いる小学校高学年以降のソフトボールへのスムーズな移行が期待できると考えた。研究計画の第一弾として、日本学術振興会の科学研究費補助金を充てて「Tボール用グラブ」の開発を業者に依頼する予定であったが、当てが外れてしまった。グラブの開発には多額の費用がかかるため、計画を見直さなければならなかった。
そのため新しい研究テーマとして、「運動部活動の指導の在り方に関する調査研究」を設定した。ここでは、運動部活動における望ましい指導の在り方を検討するために、指導者及び生徒に対してアンケート調査を行いたいと考えた。運動部活動は、スポーツに興味・関心をもち、心身の成長が著しい中・高校生に対して、学校教育の一環として生涯にわたる健全な心と身体を培い、豊かな人間性を育む重要な教育活動である。また、運動部活動は顧問教諭をはじめとした多くの関係者の日々の熱心な指導によって運営されている。2013年 文部科学省は、運動部活動の在り方に関する調査研究報告(~一人一人の生徒が輝く運動部活動を目指して~)において、理想的な指導の在り方について、「生徒との意見交換を十分に行い、生徒の意見を十分に反映させることが必要」であり、「生徒一人一人が主体性を持ってより納得してスポーツに取り組めるよう」、また「生徒たちが自ら課題を見いだし、自ら目標を設定し、自ら工夫して活動に取り組むよう」に指導すべきであると示されている。しかしながら中学生と高校生では、心身の発達及び人間的な成熟度が異なり、特に中学生では指導者がある程度、主導的に目標と内容を定めて運営を進める必要があるかもしれない。果たして、実際に学校現場で行われている運動部活動では、どのような指導方針及び運営のしかたがなされているのか、調査したいと考えた。そこで本研究では指導者の指導方針とチーム成績及び生徒の満足度との関係を調査する。具体的には、指導者の指導方針はチームの目標・運営にどのように反映されているか、また日頃の練習の目標・内容・方法について、誰がどのように決定・運営しているか、さらにそれらについて生徒の考え・意見がどの程度反映されているか等を調査する。くわえて、それらの運動部の指導方針及び運営のしかたを生徒たちはどのように受け止め、実際にチームの成績にどのようにつながっているかを明らかにする。
現在、指導者と生徒に対する「運動部活動の指導の在り方に関する調査票」(各A4用紙1枚、生徒用は表裏印刷)を作成し、南は鹿児島県から北は岩手県まで全国の中学校25校、高等学校25校における約300名の指導者と約8000名(予定)の生徒を対象にアンケート調査を実施し、現在、回収し、分析中である。次年度には、一定の研究成果を報告することができる。