表題番号:2013B-207 日付:2014/04/15
研究課題適応型ラーニングサービスを提供するための統合ユーザモデルと基盤メカニズムの研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 教授 金 群
(連携研究者) 人間科学学術院 助手 周 暁康
研究成果概要
本研究では、ソーシャルネットワーキング環境における利用者の情報アクセス行動履歴やログデータなどを解析し、利用者と情報環境両方の複合要素を考慮したユニファイドユーザモデリング手法を提案し、統合ユーザモデルを構築するとともに、適応型ラーニングサービスを提供するための基盤メカニズムおよび関連アルゴリズムを研究開発する。本年度では、
・これまで提案している「進化する統合情報環境の基盤モデル」をベースに、ライフログのような個人ビッグデータを利活用するためのモデル改善と拡張を行い、データ整合、情報融合、再利用可能な知識化を行うとともに、個人ビッグデータに基づくアプリケーションに依存しないユニバーサルユーザモデルを構築する手法を提案している。
・TwitterのようなSNS環境における利用者のメッセージやり取りやフォロー関係などから社会的役割と関係ネットワークを推定し、利用者参加型の情報検索・推薦メカニズムを考案するとともに、社会的役割に関わるさまざまな属性やSNS環境および実世界におけるさまざまな状況とコンテキストを総合的に考慮し、マッピングをすることにより社会的役割の特定を図り、基本モデルの構築及び必要なアルゴリズムの開発を行っている。
・これまで提案しているDynamical Socialized User Networkingモデルに基づいて、ソーシャルネットワーキング環境における利用者の多次元属性データを解析することによる動的ユーザプロファイリング手法を提案し、中心性指数をベースにした複数のメジャーを新たに定義し導入することによって、ソーシャルネットワーキングにおける利用者個人の重要度と貢献度の定量化を図り、実験データを用いた実験評価を行っている。
・ソーシャルネットワーキング環境における利用者のニーズに適合したデータの集約と整合を実現するため、これまで提案しているOrganic Streamsメタファーの改善と拡張を行い、Twitterから取得したデータを用いた評価実験を行っている。また、Eye-Trackingを用いたソーシャルメディアにおける閲覧パターン抽出法を考案し、評価実験を行った。
・タスク指向ラーニングプロセスにおけるアクションパタンを発見するアルゴリズムを考案し、ゴール駆動ラーニンググループの動的構成及びそれに基づく適応型ラーニングコンテンツの推薦サービスを実現するためのメカニズムを開発し、プロトタイプシステムを用いて実験評価を行っている。
・関連の研究成果をまとめた研究論文を発表している。