表題番号:2013B-199 日付:2014/03/19
研究課題再配置可能なリアルタイム・スケジューリング制御システムに関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 助教 翁 ウェイ
研究成果概要
2013年度には、2012年度に提案したリアルタイム・スケジューリング制御手法をflexible job shopというプロセスでのジャストインタイム生産と納期に遅れるジョブ数の最小化という二つの問題に適用するように改善した。すべてのジョブの完成時間や納期に遅れの最小化などの伝統的な生産目標のほか、節電や節水などの環境に優しい省エネの目標も考慮していた。

改善する前の手法はマルチ・エージェントを利用して分散的にシステム全体の目標を達成するような手法であった。改善した後、ボトルネックに基づいた調整ルールを追加し、より効率的な探索ができた。シミュレーションの結果によって、純然なマルチ・エージェントの手法と比べると、スピードが速く、解の質が良いことが分かった。リアルタイム・スケジューリング手法なので、最適解を求めることではなく、短い時間で質の良い解を見つけることを目標とした。見つけた解の質を評価するため、Mixed Integer Linear Programmingを利用し、小さい問題の最適解を求めて比べた。その結果は、提案した手法の有効性を示した。その成果は、国際会議2nd Pacific Rim Mathematical Association Congressに発表された。

また、最近数年に注目されている環境に優しい生産システムの開発にも取り込んできて、節電や節水などを考慮したスケジューリング制御手法を提案したリアルタイム・スケジューリング手法に追加したい。そこで、今年度には節電や節水の目標を目指し、Mixed Integer Programmingと遺伝的アルゴリズムを利用して既存研究より効率高いモデルを提案した。それらの成果は、国内会議23rd Intelligent System Symposiumに発表された。節電と節水の機能つきのリアルタイム・スケジューリング制御手法の開発はこれからやろうかと思う。

さらに、提案したリアルタイム・スケジュール手法はハイブリッド・フローショップやジョブショップのような複雑な生産プロセスだけではなく、セル生産のような整流化したプロセスにも対応できるように修正したい。そのため、セル生産とジョブショップ生産の特徴を抽出し、どうやってジョブショップからセル生産に転換することできることを検討してみた。その結果は、国際会議2013 Asian Conference of Management Science and Applicationsに発表された。