表題番号:2013B-190
日付:2014/04/02
研究課題スーパダンピング数値積分法を用いる擬似過渡解析法に関する研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 | 教授 | 井上 靖秋 |
- 研究成果概要
- 研究の背景と目的
擬似過渡解析法の大域的収束性(重大欠点)に対処する新たな数値積分手法スーパダンピング数値積分法を研究開発し,その有効性を理論と実験の両面から検証する.
回路シミュレーションの非収束の問題は古くから認識されている重要かつ困難な問題であり,これまで様々な観点から多数の研究がなされてきたが,未だ実用的解決に至ってない.全世界で広く実用されている業界標準回路シミュレータ(HSPICE など)もしばしば非収束の現象を起こす.本研究はこの非収束問題に対処する実用的なアルゴリズムの研究・開発に関するものである.具体的には,実用的(実装容易)な擬似過渡解析法の致命欠点を克服する新たな擬似過渡解析法を数値積分手法の立場から研究・開発し,回路シミュレータSPICE3 に実装してその有効性を検証する.
研究成果
上述目的を達成するために,(1)数値積分手法の観点からの研究と(2)アルゴリズム実装手法の観点からの昨年度までの研究をさらに発展させる研究を行った.
(1)数値積分手法の観点から擬似過渡解析法に適した新数値積分手法について研究した.具体的には,従来手法より大きなダンピング効果をもつ新数値積分手法(スーパダンピング数値積分法)について,理論的検討を加え,アルゴリズムを改良し,これを用いた擬似過渡解析手法を回路シミュレータSPICEに実装し,有効性を検証した.その結果,従来手法と比較して収束性能が格段に向上することを確認した.研究成果を国際会議で発表した.
(2)アルゴリズム実装手法の観点から,擬似過渡解析法を回路シミュレータに実装する際のランピング手法について研究した.具体的には,擬似インダクタを用いる代わりに,ギジインダクタを挿入せず回路の電源をランピングさせる効果的な手法を提案し,回路シミュレータSPICEに実装し,有効性を検証した.これらの研究の結果,従来手法より収束性能が格段に向上することを確認した.研究成果を国際会議で発表した.更に,これまでの研究成果について,論文誌に投稿し採録された.