表題番号:2013B-093 日付:2014/04/11
研究課題3次元表示環境向けGUIの提案およびその開発支援手法に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 深澤 良彰
研究成果概要
 3次元ディスプレイが登場し市販され、3次元で情報を表現できるようになったことにより、従来、2次元で表現をしていたGUIも、立体的に表現することにより、より多くの情報を含めることができたり、操作性を向上させることができたりなど、操作性の大幅な革新が期待できる。本研究では、3次元でGUIを表現する際の操作性の向上を目的とし、表現方法のガイドラインの策定及び3次元でのGUIを容易に開発するための手法についての予備研究を行う。
本研究では、3次元ディスプレイを用いて、疑似的ではない真の3次元のGUIの実現を目指している。真の3次元GUIについての研究はまだほとんど存在せず、実用化には至っていない。我々の研究では、3次元のウィンドウを構成し、そこに3次元のウィジェット(GUIの構成要素)を配置していく。2次元のウィンドウでは、基本的には、ウィジェットを上からオーバーラップさせ、下位ウィジェットを隠ぺいすることしかできなかった。しかし、3次元のウィンドウ内では、多くのウィジェットに対して奥行きをもたせて配置することが可能となる。つまり、より必要性の高いウィジェットを前面に、必要性が低いウィジェットを背面に配置することにより、操作性を上げることができると考えている。また、3次元のウィジェットを新たに創出することにより、一つのウィジェットのもつ機能を増加させることができる。これは、3次元向きの新しい入力デバイスの提案にもつながり、大きな技術革新につながっていくと考えられる。
 今年は、以下のような研究を行い、次年度の科研費・萌芽研究に採択されるための予備研究とした。
・現在、プラットフォームごとに、ガイドラインを作成し、それを遵守したGUIを開発し、ソフトウェアの利用容易性をあげようとしている。これらをサーベイし、3次元環境にそのまま適用できそうなものと、できなさそうなものに、分類した。後日、3次元に特有なガイドラインを作成し、これに加えることによって、3次元用のGUIガイドラインを構築することとなる。
・3次元の環境を、通常のGUIパッケージとして開発するのか、Web用のパッケージとして開発するのかで、研究の方法は大きく変わってくる。本年度は、JavaScriptを使用したWebサイトのアクセシビリティ評価支援を考え、これを3次元に流用可能かどうかについての考察を行った。その結果として、かなりの部分の流用が可能であろうという感触を得ている。
・近年タブレットが広く普及してきており、タブレットに対しても、3次元化が可能かどうかの検証をおこなった。その結果として、画面の大きさや解像度から、通常のディスプレイと同様の手法の適用は難しいという結果を現時点では得ている。