表題番号:2013B-076 日付:2014/04/11
研究課題グローバル競争環境下における人材・組織の柔軟性促進メカニズムに関する国際比較研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 准教授 竹内 規彦
研究成果概要
 本研究では、企業を取り巻く外部の競争環境の変化に対して、組織が「人材(human resources)」を通じて、いかに「柔軟性」(flexibility: 外部環境に対して動態的に適合する能力)を組み込み、組織の競争優位に繋げているかについて、国際比較の視点から検討することを目的としていた。この研究課題は、前年度の文部科学省・科学研究費基盤研究(B)に申請したが、あいにく採択されなかった。この特定課題研究Bの助成は、次年度の科学研究費への申請と採択に向けた助走資金として、本学より支援を受けたものと理解している。この申請に向けた準備資金として、以下に示すような研究活動を行った。
(1)更なる文献レビュー
次年度の科研費申請に向けて、本研究課題の理論的・概念的枠組みを補強するため、本課題の鍵概念にあたる組織における「柔軟性」概念の精緻化を図る目的で、精力的なン文献レビューを行った。その結果、「資源柔軟性」(resource flexibility)と「調整柔軟性」(coordination flexibility)という下位次元が存在することを新たに提起し、この2軸から本課題ならびに研究の枠組みを捉え直すこととした。
(2)関連調査データの整理と分析
 既に研究費獲得済みの既存の研究課題と申請予定の課題とのギャップを埋めることが提出した申請の修正に不可欠だと考えた。そのため、申請予定の課題に貢献しうる新たな発見事実や着眼点を得るため、既に過去の研究課題で得られた調査データの再分析を行った。その結果、組織の「柔軟性」を高める要因として組織の外的環境や文脈が重要な役割を果たしている可能性が認められた。詳細については、現在投稿論文執筆中のため、言及は差し控えるが、この外部環境の特性を申請課題に組み込むという新たな視点が得られた。
(3)関連研究の論文執筆化及び関連研究の成果発表
 申請課題に関連する研究業績を追加することが、次年度の科研費獲得に不可欠と考え、論文執筆と学会発表を精力的に行った。とりわけ、英文で執筆した研究論文の一部は、発表した国際学会(Advances in Business-related Science Research Conference: ABSRC)において、大会のBest Paper Awardを受賞した。
 以上のような、次年度の科研費採択に向けた一連の研究実績及び成果を申請書に盛り込み、再度修正版を文部科学省科学研究費基盤研究(B)に申請を行った。その結果、平成26年度(~29年度)の「基盤研究(B)」に見事に新規採択されるに至った。
 末筆ながら、助走資金として研究費支援をいただいた本学の支援体制、並びに事務処理に携わっていただいた職員のご尽力に記して感謝申し上げる次第である。