表題番号:2013B-073 日付:2014/05/13
研究課題ブランドロイヤリティと注視秒数と売上の関係の見える化実験
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 教授 永井 猛
研究成果概要
科研費に応募した「ブランドロイヤリティと注視秒数と売上の関係の見える化実験」は、実際の店頭実験データをベースとして、消費者行動(とりわけ、ブランドに対するロイヤリティや店頭における態度変容)を解明しようとするものである。
しかし、店頭実験はどんなに小規模なものでも相当額の最低イニシャル費用(約100万円程度)が発生するため、特定課題の補助ではパイロット調査を行うことができない。そこで、同実験の中の一部を構成している顧客のブランドに対するブランドの購入経験の有無、と近い将来の購入予定、ブランドに対する理解度と選好度等々の関係を解明するためのWeb調査をおこなった。
具体的に言えば、「論理的拒否」(ブランド自体をよく理解しているが買ったこともなければこれから買う意志もない)と「感覚的拒否」(ブランドの名前程度は知っているが、買ったことがなく、これからも買う気がない)、および「条件付き購入見込み(ブランド自体をよく理解していて、これまで買った経験はないが、機会があれば買うつもり)の分水嶺は何かを明らかにすることを目的とした(この箇所は、科研費申請実験では、アイカメラ装着実験後に、聞き取り調査をして特定ブランドの注視秒数と対応させて考察する予定である)。実験で計測される特定ブランドの注視秒数との対応づけの前段階として、消費者の態度間にどのような違いがあるのか、その違いを決定づけている変数は何か、等々をプレテストするためのWeb調査であった。
様々な切り口からの解析は現在も進行中であるが、これまでのところ――調査票の設計自体に問題があったのか、あるいはサンプル数が少なすぎたのか、それとも回答者の顔が見えないWeb調査自体が適していたのか――望んだ成果を得るにはいたっていない。調査方法と調査結果をもう一度厳密に精査し、消費者行動とマーケティングの研究に何らかの新しいインプリケーションを抽出できるように、現在、解析を継続中である。