表題番号:2013B-068 日付:2014/04/12
研究課題グローバリズム批判のための理論構築の試みー<理性と文化>という視座から
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 教授 八巻 和彦
研究成果概要
「グローバリズム批判のための理論構築の試みー<理性と文化>という視座から」という研究課題について、われわれは以下のように研究を展開し、概略以下のような成果を得た。
1.本研究課題について特定課題研究費が交付されることが決定した直後に、昨年度の同じ研究課題による科学研究費申請の際に八巻和彦は研究代表者であったので、その計画における研究分担者たちのうち学内のメンバーを、本研究課題の研究グループのメンバーとすることを決めて、該当者4人に連絡をとり、研究グループを結成して、研究経費もメンバーに配分することとした。その該当者とは、矢内義顕、厚東偉介、松本耿郎、加原奈穂子の各氏である。
2.夏休み中の各メンバーにおける個別研究の成果を、9月17日の研究会において発表するとともに、今後の研究計画について話し合いをし、10月の科学研究費申請のための研究計画を検討した。
八巻和彦は哲学の立場から、科学ならびに技術の理解について、文化の相違による相違が存在しており、それが社会的な問題を引き起こしていることを、日本を例にとって研究するとした。矢内義顕は、キリスト教における信仰と理性の関係について注目しつつ、同じ宗教においてもそれを受容する文化の相違によって、信仰と理性の関係にも相違が生じることを研究するとした。厚東偉介は、経営哲学の視点から、日本における経営学ならびに経営哲学が、アメリカ中心主義の視点から脱することができていないことの問題点を研究するとした。松本耿郎はイスラームにおける信仰と理性の関係について注目しつつ、同じ宗教においてもそれを受容する文化の相違によって、信仰と理性の関係にも相違が生じることを、イランと中国を例にとって研究するとした。加原奈穂子は文化人類学の立場から遂行してきた「桃太郎」研究の成果にたって、それの民間伝承にみられる多様性と明治以降の国家による一元化の過程を対比的にとらえて、そこに近代特有の構造を摘出すると共に、それをグローバリズム問題にアナライズすることで貢献をするとした。
3.10月には、本研究課題をもって科学研究費に申請したが、諸般の事情にかんがみて、今回から、研究代表者を八巻和彦ではなく、矢内義顕とすることとした。
4.2014年1月8日午後から夕方にかけて、研究メンバー全員が参加して研究会を開催し、厚東偉介と松本耿郎が研究成果を発表し、全員で討論した。
5.研究メンバーによる研究は、ほぼ上記2で示された方向で遂行された。その成果は、今後、各メンバーにおいて発表されることになっているが、すでに発表された成果の一部を次項に掲出する。