表題番号:2013B-067 日付:2014/04/11
研究課題BSCによるホスピタリティ産業におけるマネジメントの問題点の体系化と解決策の提示
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 教授 長谷川 惠一
研究成果概要
 平成26年度科学研究費補助金への応募の準備段階として、科研費で申請する研究テーマにおいて、中心的なフレームワークとして利用するバランスト・スコアカード(Balanced Scorecard: BSC)の理論上の論点を整理することと、管理会計の側面からホスピタリティ産業に必要な会計システムを検討することに集中した。
 これまでに引き続き、ホスピタリティ産業界における会計情報の有用性について検討した。ホテルにおける財務会計情報と管理会計情報の必要性から、ニューヨーク市ホテル協会(The Hotel Association of New York City)が1926年に公刊して以来、欧米の宿泊施設において利用されている、宿泊施設の統一会計報告様式(Uniform System of Accounts for Lodging Industry: USALI)を導入する必要性について、長年USALIを利用してホテルを運営している実務家と意見交換をした。USALIは、ホテル経営において、財務会計についても、管理会計についても、有用な情報をもたらす会計システムであるが、目下のところ日本の宿泊施設においてはその導入実績は少ないが、いくつかの先進的な事例を発見することができた。
 とりわけ、今年度は、2013(平成25)年に観光庁観光産業政策検討会からの「世界最高・最先端の観光産業を目指して~観光産業政策検討会提言~」の「日本の宿泊業におけるマネジメント・生産性等の改善・向上」の項目において、管理会計の重要性を指摘していることを踏まえ、日本の旅館経営についてUSALIを適用できるか否かについて検討をした。先進的な経営を行っている旅館および旅館グループに現地調査に入り、さまざまな知見を得ることができた。その一端は、以下の研究成果において公表している。
2014年度から3年間は科学研究費補助金の対象として研究計画が採択されたので、一層の研究の進展を目指している。