表題番号:2013B-048 日付:2014/04/28
研究課題スマートフォン・タブレット端末を応用する次世代スマート教室の構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 教授 楊 達
研究成果概要
 2010年以降、Apple社のiPhoneやiPadに代表されるように、先進的なスマートフォンやタブレット端末が次々に発表され、若年層のPC離れ、スマートフォン、タブレット端末依存は加速度的に進行し、今後数年でスマートホンから小型タブレット端末への「ユーザー大移動」が起こることは確実視されている。
 本研究はこうした背景を踏まえ、スマートフォンやタブレット端末を教室活動に応用した「スマート教室」を作り、実験と具体的なデータを通して、学習環境の改善が従前の学校教育に劇的な変化をもたらすことができることを証明することである。
 2013年は予算的にタブレット教室を実現することは困難であったために、研究の主眼を主に2002年から導入したDigシステムの有用性を証明するための客観的なデータの収集することに集中することにした。
 第一は学習者の動機づけの変化についての調査。予備調査では(辻田2012)Dig学習システムを使用する学生の方が外的な動機付けよりも内的な動機付けが高いことがわかりましたが、その際の調査は被験者に対して、秋期に入った段階で、「学習し始めたときを思い出してください」というふうに、事前の調査の客観性が不十分であったこともあり、2013年度では4月と12月に実際に学生に対して調査を行った。予備調査とどのようになったのかのを2014年度以降に比較する予定。
 もう一つはパソコン教材であるDig学習システムを使用している学習者と従来の学習法で学習してきた学習者を潜時音読の反応速度を基準にその学習効果を比較した。構想当初では比較によって前者と後者が漢字を読みあげるときの音韻ルートが異なることを証明しようとしたが、最終的には、単純に漢字が表示されてから読みあげるまで反応速度を比較することになった。論文の中でクラス内の教場試験成績上位者と下位者、ネイティヴスピカ―と学習書の潜時音読の反応速度を比較して、時間が短ければ短いほど中国語能力が高いということを具体的に示すことができたことを証明した。しかし、Dig学習システムを使用した方がより学習効果が高いということを証明するには、今回の実験だけではデータが不十分であった。今後は引き続き調査、分析を進めたいと考えている。