表題番号:2013B-001 日付:2014/05/04
研究課題日本人グローバル・マネジャー育成の諸課題と対応策に関する総合的基礎研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 教授 白木 三秀
研究成果概要
 アジアで積極的な展開を行っている企業、例えばイオン、ヤクルト、ヤマト運輸、三福工業、東研サーモテックなどを訪問・ヒアリング・ディスカッションをすることにより、海外展開に伴う人的資源管理上の諸課題についてのデータ・知見を収集した。同時に、総合研究機構傘下のトランスナショナルHRM研究所(企業約60社が参加)での定例、非定例の研究会を通じて、ヒアリング調査、アンケート調査の実施に際しての協力体制を構築してきた。今後の調査研究に実施には不可欠のネットワークであると考えている。
 さて、国内市場の急速な成長が見込まれにくい中、先ごろまでの円高に刺激される形で企業の急激なグローバリゼーションが進展しており、それに伴う海外オペレーションを担う人材の必要性を量的、質的に想定すると、そういう人材の圧倒的な不足が見込まれ、外国籍社員の採用とともに、グローバル対応可能な日本人の海外要員の早期・大量育成の必要性が増大している。そこで、今後の海外展開を担う人材育成の一環として大手企業を中心に実施されている海外トレーニー制度の実情と課題、より具体的には、①グローバル人材育成施策と海外トレーニー制度の実施の状況、②海外トレーニー制度の対象者、派遣期間、選抜方法、推進部署③海外トレーニー制度の運営主体、実施内容、④海外トレーニー制度の効果、⑤海外トレーニー制度の課題について、事例研究にもど付きアンケート調査を企画・実施・分析した。
 さらに期間中にミャンマーを訪問し、各種企業・機関(イオン並びにそのクレジット子会社、丸紅ヤンゴン支店、JTB関連現地法人、日本政府による人材育成センターなど)を訪問し、ミャンマーにおける人的資源管理の課題と実情、ミャンマー人の経済観念と気質、研究方法の在り方などについての情報や知見を集中した。これは、今後の研究企画の基礎資料となる。
 今後は新興諸国を多く含む東南アジア、南アジア、さらには中南米における日本企業の展開と人的資源管理の在り方についての研究を企画、実施していきたいと考えている。