表題番号:2013A-6340 日付:2014/03/19
研究課題廃棄物を最小化する生産システムの開発に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 助教 翁 ウェイ
研究成果概要
2013年度には、廃棄物を最小化するための生産制御研究を二つの方面で行っていた。一つ目は、染色プロセスにおいて各ジョブの染色順序をスケジューリングする際、染色用の水のリサイクルを考慮し、節水及び(廃水の)排水量を最小化する研究である。二つ目は、flexible job shopという生産プロセスにおいて各ジョブがなるべく納期の近くに完成させ、需要量の変化による売れなくなってしまう製品の量を最小化する手法に関する研究である。

染色プロセスの問題に対する既存研究は、遺伝的アルゴリズムを利用し、ランダムに初期解を生成し、ランダム的な二点交差と突然変異を行い、生まれた解から実行可能解を選択してから次の世代に入るような手法であり、効率的にはあまり良くない。そこで、本研究では、より良い解を得られそうな区域を指定し、部分的な交差と突然変異を行うようにした。それから、評価する時にペナルティを付けることによって、計算スピードも向上した。結果は、明るい色の染色を先にやり、徐々に暗い色の染色へのような順序で処理する解をより速く見つけることができ、水の再利用と節水の目標を達成することができた。実際の染色工場のデーターを利用したシミュレーションの結果は、水の使用量も廃水の生成量も明らかに減少したことが確認した。研究成果は国内学会23rd Intelligent System Symposiumに発表された。

Flexible job shopの問題に対しては、Mixed Integer Linear Programmingという手法を利用し、数十個のジョブもある問題の最適解を求めることができた。Flexible job shopという生産プロセスが複雑なため、既存研究はほとんど非常に小さい問題(数個ジョブ)しか解決できない。本研究では、離散的時間のモデルと連続的時間のモデルを両方立て、制約条件の計算量の減少に努力した。シミュレーションの結果によって、ジョブ数が少なく、各工程の処理時間が非常に短い場合、離散的時間のモデルが速く、そのほかの場合、連続的時間のモデルが効率的に良いということが分かった。連続的時間のモデルは既存研究のモデルと比べ、大きい問題の最適解を得られる能力が向上した。研究成果は国際学会2nd Pacific Rim Mathematical Association Congressで発表した。