表題番号:2013A-6338 日付:2014/03/19
研究課題側方入射検出による光ファイバイメージプローブの研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授(任期付) 坪川 信
研究成果概要
1.研究及び結果の概要
光ファイバの側面を入出射のインターフェースとした新たな細径光ファイバプローブ構造を考案し、光線追跡シミュレーションを用いて、その有効性を確認した。医療の内視鏡などに用いられる通常の光ファイバプローブは主に光ファイバ端点が送受光の点インターフェースとなっており、そのために結合レンズ系や長さ方向のスイープ制御など微細で複雑な機構が必須であったが、本提案では側面送受光を利用することでレンズレスの簡易な機構で広範囲かつ高速な計測が期待できる。本提案の光ファイバプローブは、外径約1mmφで長さ50mmの形状を持ち、クラッドの一部にMie散乱層を設け、片側端面内に発光素子及び面受光素子を備えることで送受光一体の構造をとる。光源からの光は光ファイバに沿って伝搬しながら散乱を受け、側面から外部へ指向性を持って発光される。プローブ周囲に物体が分布している場合は、その物体面で反射された一部の光が再びプローブ側面を通じて入射し、散乱過程を経て受光器にまで到達する。この受光パワーをモニタすることで周囲に分布する物体の計測が可能となる。
シミュレーション結果によれば、光ファイバプローブ周囲20mm程度までに位置する被測定物体に対して0.01%–10%の受光効率での光検出が認められた。プローブ下側側面に反射コーティングを施すことで効率は半桁程度まで改善された。さらに、空間的に分布する物体を測定するため、光ファイバ内の散乱層をスパイラル形状に構成することにより、長さ方向の物体分布の測定が~2mmの空間分解能で達成できることが検証された。今後はS/Nの改善及び長さ方向に対する受光効率平坦化などが主な課題となる。
本研究はJSPS科研費 25420346の助成及び本特定課題A6338の助成を受け、実施されたものである。

2.決算内訳
以下の通り、支出した。
予算 270,000円、使用額 269923円。(内訳概要:ソフトウェアライセンス 185,850円、学会参加出張費 24,300円、その他消耗品