表題番号:2013A-6336 日付:2014/04/01
研究課題用例機械翻訳のための二カ国語の同時構造分析の手法の検討
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 ルパージュ イヴ
研究成果概要
背景と目標

 本研究では本研究室で開発している用例翻訳エンジンの適切な翻訳テーブルの検討をする目的である。現在統計翻訳手法の研究が盛んでありのに対して、類推関係に基づく用例翻訳エンジンを開発している。基本技術としては三つの文の部分から4つ目の計算ができる形式化と実装に取り組んでいる(例:「風邪を」:「ひどい風邪が」::「熱さを」:x => x = 「ひどい熱さが」)。統計翻訳後術と同様に翻訳知識として翻訳テーブルが必要である。
 翻訳テーブルを生成するため、本研究では単語間アラインメント結果に基づき、(Zha et al., 2001)のクラスタリング手法を適用し、対訳文を同時に構造解析とアラインメントを行なう。構造解析とアラインメントから自動的に翻訳テーブルを生成する。また、以前に提案された単言語構造解析の可切性(secability)手法で得られた翻訳テーブルと比較し、翻訳品質を測定した。

本研究の主な結果は次のようになる。

 ① 類推関係に基づく用例翻訳エンジンで長文の翻訳の可能性を示した。可切性を利用し、単言語の構造解析を行って、翻訳実験結果で長い文の翻訳は提案手法で可能であると示した。尺度BLEUで測定した翻訳本質は統計翻訳システムより低いが、文の長さの影響を計ると同じグラフの振る舞いの観察ができた。
 ② 複数の言語対で実験を行ない、得られた翻訳テーブルを公開した。Europarlコーパスを使用し、予備実験で代表言語対の間で翻訳実験を行なった:フランス語・英語、スペイン語・ポルトガル語、フィンランド語・英語。また、可切性手法で全ての11カ国語の言語対の間の翻訳テーブルを生成し、その翻訳テーブルとそれを使用して得られたBLEUスコアを本研究室のウェッブサイトで公開した(http://133.9.48.109/index/analogy-based-ebmt/、Experiments with an in-house analogy-based EBMT systemを参照)。
 ③ 二カ国語同時構造解析アラインメントツールの向上した。一般と特別計算場合の区別によって基礎演算数量を減少し、50倍の加速ができ、マルチプロセッシングを使用し、コア数の半倍弱の加速できて、会わせて4コアで100倍の加速できた。

 行なった実験では二カ国語同時構造解析アラインメントで得られた翻訳結果は可切性で得られた結果の比較するとやや低い。しかし、両実験で入力文の構造解析手法は可切性手法であるため、ある意味で不公平な比較となると考えられる。今後の課題として、同時構造解析アラインメントを利用するとき、入力文構造解析を行なわずに翻訳手法の検討をするべき。

研究費の使い方:

 ① 国内と国際学会参加費:
Lepage (LTC 2013, ポーランド)
木村竜矢 (AISE 2013, タイ),
西川裕介と尾美圭亮 (言語処理学会第20次年大会、札幌)
 ② 国内と国際学会出張費:
木村竜矢 (AISE 2013, タイ),
西川裕介と尾美圭亮 (言語処理学会第20次年大会、札幌)
 ③ 予定した図書購入は研究費の調整のため異なる研究費で購入した。