表題番号:2013A-6332 日付:2014/03/27
研究課題生産・物流におけるもの時空間情報に基づくスパイラル導入スケジューリングシステム
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 藤村 茂
研究成果概要
 本研究課題では,製造業における生産業務および生産プロセスの改善と同期して“スパイラル進化”可能な生産スケジューリングシステムを提案することを目的としている.“スパイラル進化”とは,変化,変化に対する問題点の発見,発見された問題点の改善,そして更なる変化というスパイラルに同期してシステムを進化させていく概念である.
 本研究課題にとりかかる前に,このような概念に従い既に実装したシステムでは,Android端末によるQRコードの読み込みによって作業実績を入力し,スケジューリングマスタ情報入力なしで作業の進捗状況のガントチャート(時刻を表す横軸に対して事象の時間を矩形で表示するチャート)表示によって見える化を行う仕組みを実現している.そして,この作業実績からマスタ情報を抽出する仕組みを実現し,実績とスケジュール対比による業務・生産プロセスの改善を行うことを可能としている.
 本研究課題では,このシステムをベースにして,中小企業において,より導入しやすいスケジューリングシステムを目指し,在庫,およびものの場所の移動実績情報の入力により製造現場の状況をとらえスケジューリングに役に立てる方法を提案しシステムを実装した.
 本システムは,製造プロセスの実績イベントを収集する実績イベント収集機能,製造プロセスの過去の情報を管理するデータ管理機能,製造プロセスの状況を把握するための進捗監視機能,生産オーダに対する生産方法を決定し生産スケジュールを生成するスケジューリング機能,生産スケジュールを生成するために必要な生産方法を指定する処方の情報を生成し管理する処方生成管理機能からなる.実績イベント収集機能は,原料,中間製品,最終製品の在庫状況を把握するための入庫,出庫,現在庫情報を収集するための機能である.収集されたイベントはデータ管理機能によって管理される.進捗監視機能は,データ管理機能で管理されているデータを利用してリアルタイムに進捗状況を表示する機能である.スケジューリング機能は,生産オーダの情報に基づいて生産スケジュールを生成する機能である.
 現在,本システムの実装を終了し,実際の生産プロセスにおいて検証を実施する準備を行っているところである.