表題番号:2013A-6328 日付:2014/04/11
研究課題ディーゼルエンジンのモデルベース過渡制御の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 大貝 晴俊
研究成果概要
ディーゼルエンジンのモデルベース制御技術開発において燃費向上と排出ガス削減が課題である。その制御として、多段噴射の噴射タイミングと噴射量の最適設定が課題である、
定常時の最適設定では、物理モデルあるいは統計モデルにより、燃費や排ガスを予測する燃焼モデルを作成し、PSO(粒子群最適化)を用いて、最適な設定量を求めてきた。
ディーゼルエンジン制御の課題の一つは、過渡制御と呼ばれ、エンジン速度変更中にも、NOxやすすの排出削減とBSFC(燃料消費率)の向上を検討した。
本研究では、過渡での燃焼モデルとして、状態空間モデルの作成を行った。また、ロバストフィルタによるモデル精度向上を図った。過渡制御としてモデル予測制御MPCコントローラを用いた制御システムを提案した。
単気筒ディーゼルエンジンの加減速過渡過程において、この方法を適用することにより、排出量を削減し、燃費を向上できる可能性および有効性を検証した。
状態空間モデルは、過渡状態のディーゼルエンジンの動的特性を表現する数学的モデルを構築するために使用した。PSO(粒子群最適化)を用いて、状態空間モデルの係数行列を求めることを提案した。またロバストフィルタリングは、モデルの予測精度向上のために、ノイズ除去に使用した。過渡制御として多入力多出力MPCを用いて、過渡時の排ガス削減と燃費向上を実現する制御システムを提案した。シミュレーションにより過渡状態でのMPCの性能を評価し、良好な制御結果を得た。単気筒ディーゼル実験装置の制御システムを構築して、実験を行う予定である。」
 EGRを用いた燃焼モデルの作成についても検討した。PSOを用いて、多段噴射の噴射タイミング、噴射量、およびEGRの最適設定によりNOxを大きく削減することができた。
 ターボチャージャについて、その性能向上について検討した。単気筒ディーゼルエンジン実験装置の既存のターボチャージャより小型のものについてオフラインで過給圧性能について、オフライン実験により、性能向上が期待できることがわかり、今後、実験装置に組み込む予定である。