表題番号:2013A-6279 日付:2014/05/06
研究課題語彙レベル評価と自動簡素のためのソフトウェアツール開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 アントニ ローレンス
研究成果概要
「AntWordProfiler」(http://www.antlab.sci.waseda.ac.jp/software)は対象文書の語彙頻度・分布、難度レベルなどの統計的な情報を容易にかつ正確に収得できるソフトウェアであります。一方、AntWordProfilerは語彙の難度レベルを簡素化する方法は手動なので、複雑な処理の上、時間がかかるものです。また、統計的な分析機能が限られています。本研究では「AntWordProfiler」に新たな機能を足し、世界の基準となる語彙プロフィールツールを維持できるように開発を行いました。提案書で書いた目標に従って、まずは語彙の難度レベル情報が含まれているシソーラスをソフトウェアに統合しました。これによって、対象文書に含まれている難しい単語(例えば学習者の語彙レベル外の単語)を自動的に把握でき、より簡単な単語(レベル内の単語)の候補を表示・書き換えることが可能となりました。また、より高度な分析を行うため、次の目標として新たな統計機能を足し、統計の数値により、プロフィールの並び変えを可能としました。その上、インターフェースを大きく変え、対象テキストを簡素化するための情報(例えば、コーパス内・テキスト内の単語頻度、単語の位置)をより見やすくするように工夫を加えました。すべての機能を使いこなすため、新説明書を作り、ソフトウェア内で閲覧できるようにしました。

2013年度中、「AntWordProfiler」のダウンロード数が大幅に増え、2013年度の数と比べ、4万6000ダウンロード増えました。以上の新機能を足したことが要因だと予想できます。また、Victoria Univ. of WellingtonのPaul Nation教授と共同で研究論文を出版し、特定課題の予算を使い世界の語彙に関する研究者が集まった「Vocab@Vic」の学会で共同研究発表も行いました。今後も、Paul Nation教授との共同研究が続きまます。

2014年度中、「AntWordProfiler」に既に統合されているGSL 1000, GSL 2000, AWLの語彙リストに続き、NGSLの語彙リストも統合する予定があります。